皆さんこんにちは。8月もあっという間に最終週ですが、やり残したことはありませんか?残暑というには暑すぎる日が続いていますので、引き続き熱中症対策をしっかりしてお過ごしください。
さて、遺言書がある場合、原則遺言書の内容に従って相続を行う、ということは多くの方がご存じかと思います。では、遺言書の内容が現実的でなかったり、相続する方々にとって不都合がある場合でも、必ず従わなければならないのでしょうか?
そこで今回は、遺言書を拒否できるケースやその条件などについてご紹介いたします。ご自身が遺言書を作成される際にも知っておくと良い内容ですので、ぜひご参考になさってください。
そもそも遺言書が有効でない
まず、遺言書が法的に有効であるためには、一定の要件を満たす必要があります。例えば、自筆証書遺言が自筆で作成されていない、日付が無い、署名押印が無い、などの場合、その遺言書は無効になります。また、遺言作成時に遺言者が遺言能力(遺言を作成するに値する判断能力)を失っていた場合や、詐欺・強迫により作成された場合、偽造・変造された場合なども無効になります。このように無効な遺言書であれば、従う必要はありません。ただし、無効の判断を “相続人全員の合意無し” にしてしまうと、合意していない相続人との間で訴訟に発展するケースもあります。また、無効だと判断して遺言書を破棄してしまった場合には、私用文書毀棄罪(しようぶんしょききざい)などの罪で刑事責任を問われる可能性もあります。
ちなみに、無効な遺言書でも相続人全員が合意していれば、その遺言書の内容にそった相続を実現することは可能です。
相続人全員が合意している
遺言書が有効でも、内容に従わない事は可能です。
それは相続人全員が、遺言書と異なる内容で相続することに合意している場合です。ただし、遺言書に、法定相続人以外の方(例えば友人など)に相続(遺贈)させるという内容が記載されていた場合は、その方の合意も必要になります。また、遺言書で相続人以外の、遺言執行者(遺言の内容を実行する人)が指名されていた場合は、遺言執行者の合意も必要です。
さいごに
いかがでしたか?
遺産相続においては「遺言者の意思」が最優先であり、遺言書の内容は遺産分割協議(※1)や法定相続分(※2)に優先するのが原則で、簡単に遺言書と異なる相続が行えるわけではありません。ただし、ご紹介したように、条件を満たせば遺言書と異なる相続手続きも可能です。
遺言書を作成する際にはそのことも考慮して、ご自身の思いが相続人に伝わるよう内容を工夫したり、予め相続人となる方々と話し合っておくことも大切ではないでしょうか。当事務所では、遺言書作成に関するご相談を承っております。少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)
※1 相続人全員で遺産の分け方を話し合う協議
※2 法律によって定められた遺産分割の割合
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