皆さんこんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
相続手続きをおこなう際、被相続人(亡くなった方)が生命保険(以下死亡保険)の被保険者だったら、
死亡保険金は相続財産に含まれるでしょうか?
答えは「含まれません」。
しかし、相続税の対象となることはあります。
この記事では、「死亡保険金が相続税の対象になる条件」や「非課税限度額」について詳しく解説します。
相続は複雑に感じられるかもしれませんが、正しい知識を持つことで、相続税の負担を減らし、安心して手続きを進められます。
ぜひ、最後までお読みいただき、ご自身やご家族のために役立ててください。
相続税とは
相続税とは、相続または遺贈によって財産を取得した人に対し、取得した財産額に応じて課される税金です。
全ての相続人等で取得した財産の合計が基礎控除額を超える場合に、相続税の申告/納付の対象となります。
基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
相続税は申告納税のため、税務署から納付の案内があるわけではありません。
そのため、相続税がかかるか、いくらになるかについては、自分で計算しなければなりません(もしくは税理士に依頼)。
相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告・納付します。金銭で一括納付が原則です。
すべての人が納めるものではない
先述の通り、相続税は、相続財産が基礎控除額を超える場合に納付が必要です。
では、相続税の対象となる方はどれくらいいるのでしょうか?
2022(令和4)年に相続税を課税された方の割合は9.6%でした。 約10人に1人と多くはありません。
しかし、課税された方のうち約10%程度が税務調査(実地調査)の対象となっており、税務調査をされた方の8割以上が申告漏れ等の違反の指摘を受けています。
課税対象となる方は、税理士など専門家に相談することをお勧めいたします。
死亡保険金には相続税がかかるか?
生命保険金は、受取人固有の権利になるため、民法上の相続財産には含まれません。
そのため遺産分割協議の対象にはならず、ほかに相続人にがいたとしても、受取人の方がすべて受け取ります。
ただし、被相続人の死亡によって発生している財産なので、「みなし相続財産」として相続税の課税対象にはなる場合があります。
相続税の対象となる条件
死亡保険金に相続税が課税されるのは、被相続人が「自分にかけた保険を自分で支払っている場合」のみです。
保険料を支払っていたのが配偶者や子など、被相続人以外の場合は、所得税や贈与税など別の税金がかかります。
【例】
①契約者(保険料負担者):夫
被保険者(亡くなった人):夫
受取人:妻
→「相続税」の対象
②契約者(保険料負担者):妻
被保険者(亡くなった人):夫
受取人:妻
→「所得税・住民税」の対象
③契約者(保険料負担者):妻
被保険者(亡くなった人):夫
受取人:子
→「贈与税」の対象
生命保険の非課税限度額
死亡保険金は、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。
死亡保険金には「残された家族の生活保障」という目的があるためです。
【例】
法定相続人が2人で死亡保険金1,200万円の場合。
500万円×2=1,000万円(非課税限度額)
課税対象になるのは200万円のみです。
その他の相続税減税制度
基礎控除
相続・遺贈により取得した遺産の合計が、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数) 以内であれば、相続税はかかりません。
配偶者の税額軽減
配偶者が取得した相続財産は、1億6,000万円又は法定相続分相当額までは、相続税がかかりません。
このような減税制度を適用することで、死亡保険金やそのほかの相続財産が、相続税の課税対象から外れる場合があります。
さいごに
この記事では、死亡保険金にかかる相続税についてご紹介しました。
相続税の税率は10~55%と高いため、思わぬ額を納税しなければならない場合があります。
課税対象になる財産や、課税基準などを理解することで、納税の見込みが立てられ、相続の準備に役立ちます。相続税を正しく理解し、相続に備えましょう。
当事務所では、相続税の納税に必要な、財産の特定、相続人調査、遺産分割協議書作成のお手伝いが可能です。
そのほか、相続や遺言作成に関するご相談を承っております。
少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)
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