皆さんこんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
9月半ばですが今週も暑かったですね。日傘や帽子が手放せません・・。
さて、「人生100年時代」「老後2,000万円問題」などの言葉を耳にする機会が増え、老後のために資産形成をされている方も多いのではないでしょうか。比較的安全に資産形成を行う手段として投資信託を選ばれる方も増えているかと思います。では、相続財産に投資信託が含まれている場合、どのように相続されるのでしょうか?今回は、投資信託とはどういうもので、相続手続きはどのように行われるのか、また相続時の注意点などについてご紹介いたします。
投資信託とは
投資信託は、「多くの人がお金を出し合って、専門家に資産を運用してもらう仕組み」のことです。ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が株式や債券、不動産などのさまざまな投資先にお金を分散させて運用するため、個人で投資するのに比べてリスクが軽減されます。また、多くの人がお金を出し合うため一人当たりの最低投資額が低く、スタートのハードルも低くなっています。このように投資信託は、プロのサポート、リスク分散、簡単なスタートが魅力の投資方法といえます。
投資信託は主に証券会社、銀行、郵便局などの「販売会社」を通じて購入できます。販売会社を通じて集められたお金を、ファンドマネージャーなどが所属する「運用会社」が運用し、得られた利益は、再び販売会社を通じて投資家に入るという仕組みです。
一般社団法人投資信託協会HPより |
相続時における投資信託の評価方法
投資信託は、金融市場の状況により毎日価値が変動しますので、どの時点の価格で評価するかが重要になります。そして評価方法は、投資信託の種類によって異なり、「被相続人の死亡日の終値」で評価する場合や、「死亡日の属する月の毎日の終値の平均額」で評価する場合など、様々あります。投資信託の種類や死亡日の価格などは、販売会社から残高証明書を取得することで確認できます。
投資信託の相続手続き
投資信託は預貯金や不動産と同じく、相続財産となります。では投資信託が相続財産に含まれる場合、どのように相続されるのでしょうか。
まず、有効な遺言書がある場合はその内容に従い分割します。遺言書が無い場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、その内容に従い遺産分割をすることになります。その際、誰が、どのような割合で、どうやって相続するのかも決定します。
遺産分割の方法には、①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割がありますが、投資信託は、共有にしてしまうと解約手続きも複雑になるので、1商品を1相続人が相続し、過不足は代償金で調整する「代償分割」がスムーズと言えます。
投資信託を相続する際の注意点
投資信託は毎日価値が変動しますので、相続発生時や遺産分割時、売却時などで、大きく価値が変わる可能性がある点に注意が必要です。たとえば、被相続人の死亡日の価格「1,000万円」で、遺産分割協議が成立したとしても、相続した方が売却した時点では500万円になっていたり、反対に1,500万円になっているということもあり得ます。そして、値下がり、値上がりは相続した人の自己責任になります。もしその点が不安であれば、相続人全員で協力して先に売却してから、その売却額を分けるなどの方法も検討した方が良いでしょう。
また、投資信託は価額が変動するという性質上、税金にも注意が必要です。被相続人の取得価額より相続時の時価が高くなっていた場合、利益となった差額について20.315%の税金が発生します。また、ひとりが投資信託を相続し代償分割をした場合、代償金が贈与とみなされ、贈与税が発生する場合もありますので、代償分割するときは、遺産分割協議書にその旨を記載しておきましょう。
さいごに
いかがでしたか?
投資信託は老後資産や家族に遺す財産の形成に有効な手段ではありますが、その性質上、種類や分割方法などがはっきりしていないと、相続手続きに手間がかかったり、トラブルとなる可能性もあります。投資信託を含む財産を遺す遺言を作成する際には、その点にも配慮すると良いでしょう。当事務所では、遺言書作成に関するご相談を承っております。少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)
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