\目に入れても痛くない/孫には相続する方法

こんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
台風が次々に発生して落ち着かない天候が続いていますね。ただ、雨が降るごとに少しずつ気温が下がり秋めいてきている気もしています。
さて、相続についてお考えの方のなかには、孫に相続させたいという方もいらっしゃるかと思います。少子化により孫の人数が減り、祖父母との関係が強くなったことや、長寿の方が増え、孫と交流する機会が増えたことで、孫に相続させたいとお思いになる方は増えています。ただし、孫に財産を相続させるには気を付けなければいけない事がいくつかあります。
そこで、今回は孫への相続に関する基本的な知識と注意点をご紹介いたします。

目次

原則、孫は相続人にならない

民法では、相続人になることができる人が決められており、それを「法定相続人」と呼びます。そして孫は原則法定相続人には含まれません。つまり、何もしなければ孫に遺産が相続されることはありません。
法定相続人の考え方は以下の通りです。

法定相続人=配偶者+先順位相続人
【順位】
第1位…子または代襲相続人(=順位者の子や孫)
第2位…両親または直系尊属(=順位者の親)
第3位…兄弟姉妹または代襲相続人
先順位の方がいれば、後順位の方は相続人にならない
例:子(1位)がいる場合、両親(2位)や兄弟姉妹(3位)は相続人にならない

子が亡くなっている場合は孫が相続する

例外として、故人の子が既に他界されていて、孫がいる場合は子の代わりに孫が相続人となります。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)と呼びます。

孫に相続させる方法

では代襲相続以外で孫に相続させたい場合、どのようにすれば良いのでしょうか?

1.遺言書を作成する

遺言書では、法定相続人以外を遺産の受取人に指定することができます。そのため、孫はもちろん、子の妻や、親しい友人などへの遺産相続が可能になります。ただし、配偶者と1親等の血族以外の方が相続した場合、相続税額は2割加算されます。孫は2親等なので相続税がかかる場合においては注意が必要です。

2.孫と養子縁組をする

法定相続人の「子」には養子も含まれます。孫と養子縁組みをすることで、孫も法定相続人の「子」と見なされ、直接孫に遺産を相続させることができます。また、特定の孫とのみ養子縁組することも可能です。ただし、法定相続人になれる養子の人数には制限があり、実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人までとなります。

3.生前贈与

孫に財産を譲るという点で言えば、生前贈与も選択肢になります。生前贈与とは、生きているうちに財産を贈ることです。生きているうちに相続時の財産を減らすことにもつながるため、相続税対策として用いられることもあります。
ただし、生前贈与では贈与税が発生し、贈られた側が高額な税金に苦しむ場合もあります。生前贈与を検討している場合は、贈与税の課税方法を理解したうえで対策するようにしてください

4.生命保険の受取人に孫を指定する

まとまったお金を渡したいということであれば、孫を生命保険の受取人に指定するという方法もあります。生命保険の死亡保険金は、民法上の相続財産には含まれませんので、遺産分割の範囲外で孫に渡すことがせます。
ただし、相続税の対象とはなります。孫が法定相続人でなければ、生命保険の相続時非課税制度を適用できませんので、保険金全額に対して相続税が課せられます。(保険金の受取人が法定相続人である場合「500万円×法定相続人の人数」の額が非課税)

孫に相続させるメリット・デメリット

【メリット】
・孫に財産を残すことができる
・相続の回数を減らすことで相続税を抑えられる

一番のメリットは法定相続人ではない孫に対し、財産を残せることでしょう。また、孫からすれば、本来自分が財産を受け取るまでに「祖父母から親」「親から孫」という2回の相続が発生するところを、1回に抑えることで相続全体でみた場合の相続税を抑えることにもつながります。

【デリット】
・相続トラブルに発展する可能性がある
・孫の相続税が高くなる

法定相続人ではない孫が相続することで、親族間で軋轢が生まれる可能性があります。また、遺言書による遺贈や、養子縁組によって孫が遺産を相続した場合、相続税は2割加算税された額になり、死亡保険金では非課税枠も使えません。相続税がかからなければ問題はありませんが、税金が発生するようであれば、孫の税負担も考慮しておく必要があります。

さいごに

いかがでしたか?
本来相続人でない孫に相続させるには、遺言などの対策が必要であり、孫が相続すると他の相続人とのトラブルや、高額な税負担が発生してしまう場合もある、ということがお分かりいただけたかと思います。可愛い孫に負担を掛けずに財産を残すためには、法定相続人となるご家族にあらかじめ説明して理解を得たり、専門家に相談して適切な方法を選択することをお勧めいたします。当事務所では、遺言書作成に関するご相談を承っております。少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)

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