こんにちは。今日は少し暑さが緩んでほっとしていますが、最高気温は30℃を超えています。油断せず水分補給していきましょう。
さて、皆さんは、エンディングノートについてご存じでしょうか？最近は耳にする機会も増えてきたと思います。遺言書と同じでは？思われることがありますが、両者には重要な違いがあります。どちらも大切な意味があり、それぞれの目的と役割を理解して作成することが重要です。そこで今日は、両者の違いに触れながら、エンディングノートについてご紹介いたします。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、もしもの時に備えて、自分の終末期や死後に関する希望や、財産に関することなど、家族や周囲の人に伝えたいことを書き残すノートのことです。
お葬式や遺産相続・納骨等、死後に関することだけでなく、医療や介護といった終末期に関することなども書いておくことができます。最近は、エンディングノートが市販されていたり、無料でダウンロードできたりしますので、どなたでも簡単に作成することができます。
エンディングノートは、質問に答える形式のものや、記入項目が設けられているので、それに沿って記入していけば完成しますので、文書を書くのが苦手という方でも、気軽に取り組むことができます。もちろん、普通のノートに自由に書くスタイルでも問題ありません。
遺言書との違い
では遺言書とエンディングノートには、どのような違いがあるのでしょうか？2つのポイントからご説明します。
①遺言書には法的効力がある
遺言書は法的効力を持つ書類です。以下の内容等については、原則遺言書の内容に従う必要があります。
・相続分の指定
・遺産分割方法の指定
・遺贈
・寄付
・遺産分割の禁止（ただし5年以内）
・認知
・相続人の廃除
・保険金受取人の変更
・遺言執行者・遺言執行者を指定する人の指定
一方、エンディングノートには法的な強制力はありませんので、相続についての希望がある場合は、エンディングノートだけではなく、遺言書も作成することをお勧めいたします。
②遺言書は死後のことしか書けない
遺言書は、書いた本人が亡くなった時にはじめて効力を持つ書類ですので、遺言書に書けるのは「死後」のことに関してのみです。一方、エンディングノートには「生前」のことも書けます。「財産をどのように管理したいか」「どんな医療・介護を希望するか」ということが書けるのは、エンディングノートならではです。
おすすめの記載事項
エンディングノートは、どこまで書いておけばいいのかわからない・・。という方のために、に最低限書いておくと良い事項をご紹介します。
①もしもの時、連絡してほしい人
ご入院された時や、最期の時、ご葬儀の時、誰に連絡して欲しいのかを記入しておきましょう。
②財産について
ご家族が財産を見落とすことが無いよう、ご自身の財産を書き出しておきましょう。
③ご葬儀について
ご葬儀についてご希望があれば記入しておきましょう。（喪主、費用、戒名、副葬品、遺影など）
④お墓の情報・希望
お墓がある方は、そのお墓と菩提寺の情報。ない方は、どのような埋葬方法を希望するのか記入しましょう。
⑤遺言書について
遺言書の有無や、保管場所などを記入しておきましょう。遺言書の有無によって、ご家族の相続手続きに影響します。
保管時の注意
エンディングノートを書いても、それを必要とする時にご家族が見つけられなければ意味がありません。エンディングノートを書いたら、ご家族にその存在を知らせ、保管場所を伝えておいてください。
また、保管場所は金庫や鍵付きの引き出しなど、特定の方でしか見られないような場所に保管してください。ただし、医療に関することはすぐに確認が必要な場合もありますので、確認に時間がかかるような保管方法はさけたほうが良いでしょう。
さいごに
遺言書は死後についての希望を記すことができ、その内容に法的強制力が生じます。一方、エンディングノートは生前・死後についての希望を記すことができますが、法的効力は生じません。各々の特性がありますので、両方作っておくことで、より効果的に本人の意思を遺すことができます。
当事務所では、遺言書の作成を主業務の一つとしており、エンディングノートも含め、作成を考えられている方の相談を承っております。お悩みのことがあればお気軽にご相談ください。（初回相談料は無料）
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