\相続人がいない場合は注意!/いとこの相続手続き

皆さんこんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
12月がスタートしましたね。ここ数日は日中気持ちのいいお天気ですが、少しずつ最高気温も下がり冷え込むようになってきました。皆さん暖かくしてお過ごしください。

さて、皆さんにいとこはいらっしゃいますか?
幼い頃は兄弟姉妹と同じように一緒に遊んだり、今でも親しくしているという方もいらっしゃるかもしれません。では、そんないとこが亡くなってしまった場合、相続はどうなるのかご存じですか?

兄弟姉妹については知っていても、いとこの相続については案外知らないことが多いものです。そこで今回は、いとこの相続にまつわるポイントや知っておくべきことを、特に注意したい「いとこに相続人がいない」というケースにフォーカスしてご紹介いたします。

目次

いとこの遺産は相続できるのか?

相続にはルールがあり、亡くなった方(被相続人)の財産を相続できるのは、原則法定相続人と呼ばれる特定の方に限られます。法定相続人は以下の通りです。

常に相続人となる:配偶者
第1順位:子供
第2順位:親
第3順位:兄弟姉妹

配偶者と上位の順位者(配偶者が不在なら上位順位者のみ)が法定相続人となります。このように、いとこは法定相続に含まれません。つまり、たとえ血縁があっても、原則はいとこから財産を相続することも、させることもできないのです。

身寄りのないいとこが死亡した場合の遺産分割 

では身寄りのないいとこが亡くなった場合、その財産はどうなるのでしょうか。その場合、「特別縁故者(とくべつえんこしゃ)」となる方がいない限り、国庫に納められることになります。

特別縁故者とは、生前故人と親密な関係にあった人のことです。例えば、故人と一緒に住んでいたり、生活の手助けをしていたり、看病をしていた場合、特別縁故者として認められる可能性があります。ただし、特別縁故者として認められるには、故人に相続人がいないことが確定してから3ヵ月以内に家庭裁判所に申立てをし、認められる必要があります。

認められるかどうかは、家庭裁判所の判断によりますので、故人とある程度関わりがあっても、認められないケースもあります。例えば、故人の葬儀を取り仕切り、葬儀や埋葬の費用も負担した場合でも、生前の関わりがなかったのであれば、特別縁故者として認めてもらうことは難しいでしょう。 

生前にできる対策

では、どのように対策しておくと良いのでしょうか?

まずは、遺言書を作成してもらうのが一つです。遺言書は、亡くなった人が自分の財産をどう処分するかを最終的な意思として書面に残すもので、法定相続人による相続よりも優先して効力が発生します。そのため、遺言書で財産を誰に贈りたい記載してもらうことで、特別縁故者にならずとも、財産を受け取ることができます。

遺言書には「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類がありますが、「公正証書遺言」がおすすめです。公正証書遺言は、公証人が関与して作成するため確実性が高く、内容が無効になったり捏造されたりする心配がありません。公証人への報酬などの費用はかかりますが、相続人間のトラブルの原因が少なく、検認手続きが不要になるメリットもあります。

ただし、遺言書によって遺産を引き継ぐ場合でも相続税は発生します。
被相続人の一親等の血族および配偶者以外が財産を受け取った場合、相続税額の2割に相当する金額が加算されます。いとこの相続もこの条件に該当するため、相続財産が基礎控除額を超える場合には注意が必要です。

その他、財産を贈る方と、受け取る方が「死後に遺産を渡す」という契約を結んでおく「死因贈与」や、生前に贈与しておくという方法もあります。

さいごに

いかがでしたか?
いとこは法定相続人でないため、父母や兄弟姉妹からの相続に比べると、ハードルが高くなります。特に身寄りのないいとこがいらっしゃる方は、予め対策をしておくことをお勧めいたします。
当事務所では、遺言書作成や相続手続きに関するご相談を承っております。少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)

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