皆さんこんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
昨日は風が強かったですが、今日は秋晴れですね。11月も後半突入!一日一日大切に過ごしていきたいですね。
さて、今日は相続に関する少し特別なケースについてお話ししたいと思います。それは、相続人の中に行方不明者がいる場合です。ご家族によって事情は様々で、相続手続きの際に、行方不明者が関わることはしばしばあります。このような場合、遺産分割はやや複雑になります。ただし、いくつかの対処法がありますので、今回はそれらをご紹介いたします。
行方不明者も無視できない!
故人(被相続人)の財産を相続する権利を持つ人を『法定相続人』と呼びます。法定相続人の範囲は民法で規定されており原則勝手に変更することはできません。また、遺産をどのように分けるかの話し合い(遺産分割協議)を決着させるには、法定相続人全員の合意が必要です。これは法定相続人が行方不明者であっても同様です。つまり、行方不明者であっても法定相続人である以上、その方を無視して相続手続きを進めることはできないのです。
行方不明者の探し方
それでは行方不明者がいる場合、どのようにすればよいのでしょうか。「行方不明」といってもどの相続人の側でどの程度探したのか、行方不明者が実際どのような状態になっているのか、によって対応方法が違います。
まず、行方不明でも生存が確認されている場合、住所登録を戸籍の附票で確認できます。手数料は市区町村により異なり、親族の個人情報の取得には合理的な必要性が必要です。被相続人の死亡などを示す書類(住民票・戸籍)などが、相続手続に必要な書類を取得し、行方不明者の住所を窓口で問い合わせることができます。
連絡をとっても遺産分割協議ができないような場合
次に連絡をとっても遺産分割協議ができないような場合です。そのような場合は、不在者の財産管理人を選任してもらい、その人と遺産分割協議を行います。 民法第25条は、従来の住所又は居所を去った者を「不在者」と定義して、不在者がいる場合に必要に応じて家庭裁判所に請求をして財産管理人を設置することを定めています。
財産管理人が本人に代わって協議に参加することで、遺産分割協議ができることになっており、これによって手続を進めることが可能になります。
生存が確認できない場合
最後に生存が確認できない場合です。不在者として扱うこともできますが、不在者だと相続人として取り扱う必要があります。一歩死亡した場合は、相続人で無くなるため、相続分が変わる可能性があります。失踪者を死亡したとみなす制度があります。それが「失踪宣告」と「認定死亡」の制度です。失踪宣告は家庭裁判所が利害関係者の請求に基づき、失踪者を死亡とみなす制度で、特殊な事情がなければ利用されます。航空機事故のような場合、確認できない場合にも利用可能であり、取り消しも可能です。認定死亡は戸籍法89条に規定され、事故や災害により死亡が高いが遺体が見つからない場合に警察・消防などによって死亡が報告され、戸籍上で死亡とされます。
さいごに
このページでは相続人が行方不明の場合の手続についてお伝えしました。 相続人が行方不明の場合でも遺産分割協議は全員でやらなければならず、行方不明者を除外して行っても銀行口座の凍結解除や、相続登記をすることができません。 行方不明者がいる場合には戸籍の附票を取得して探す、不在者の財産管理人を選任する、失踪宣告を行うなどの手続が必要になります。 もし相続人に行方不明者がいる場合には、遺言をつくっておくと、こういった手続を踏まずにすみますので、行政書士等の専門家に相談するなどして事前に対策を練っておくことも考えておきましょう。
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