\その通りに分けなくても大丈夫?/法定相続分について

皆さんこんにちは。行政書士・社会福祉士の野澤です。
今年も今日を入れてあと二日です。皆さん、大掃除やご挨拶などやり残したことはありませんか?昨日から都心部では車の量も少なくなったようで、今年は帰省される方も多いようです。

さて、遺産を分割するにあたり民法では分割割合の基準が定められています。これを法定相続分といいます。では法定相続分には必ずその通り分けなければいけないのでしょうか?もし従わなかった場合は罰則があるのでしょうか?

遺産が自宅しかないなど、さまざまな事情で法定相続分通りに分けるのが難しいという方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は法定相続分についての基礎知識をわかりやすく解説していきます。

目次

法定相続人

法定相続分を理解するためにまず、相続する権利を持つ人「法定相続人」について確認しておきましょう。法定相続人の覚え方は以下の通りです。

法定相続人 = 配偶者 + 先順位相続人(せんじゅんいそうぞくにん)

配偶者は生存していれば必ず相続人となり、順位が上の人から順番に、生きていれば配偶者と一緒に相続人になることができます。順位が上の人がいる場合、後順位の人は相続人になれません。例えば子がいる方場合は、両親・兄弟姉妹は相続人なりません。
また、子、兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子(孫・甥姪)が相続人となります。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)と呼びます。同じように両親が亡くなっていて祖父母がご存命の場合は、祖父母が相続人となります。

法定相続分

法定相続分は、法定相続人がどのような割合で財産を相続するかの基準を定めたものです。民法900条に定められています。具体的な相続割は下記表の通りです。

【例】

相続人法定相続分
配偶者、長男、長女配偶者1/2、長男1/2、長女1/2
配偶者、母配偶者2/3、母1/3
配偶者、姉、弟配偶者3/4、姉1/8、弟1/8

法定相続分は絶対?

法定相続分は相続人同士の話し合い(遺産分割協議)がまとまらないときに裁判所が裁定する際の基準として用いられるものであり、従わなければならないものではありません。
法律には、家庭内の事柄には介入しないという原則があります。家庭ごとに財産状況や家族構成が異なり、家族内でしかわからない事情もあるためです。法定相続分もこの原則に沿ったものと言えます。つまり遺産分割は法定相続分を気にすることなく各々の状況に応じて自由に決めて良いのです。

ただし、「遺留分(いりゅうぶん)」には配慮した方がよいかと思います。遺留分とは、相続人に認められる最低限の遺産の取り分です。遺留分の権利を持つのは配偶者、子(代襲相続人を含む)、両親(直系尊属)で、兄弟姉妹には適用されません。遺留分は法定相続分の2分の1であり、両親のみが相続人の場合は3分の1です。
相続人は自分の意思によらず遺留分より少ない相続割合となった場合は、遺留分を請求することができます。遺産分割協議により相続人全員が合意して決めた相続割合は、遺留分を侵害していたとしても後から請求することはできませんが、遺産分割協議時に遺留分の存在を知らなかったなどの理由でトラブルになることも考えられます。

さいごに

いかがでしたか?
実際、法定相続分通りに遺産を分けるケースはあまり多くありません。理由は、遺産には現金や預貯金だけでなく自宅や車、家具、家電、老人ホームの保証金などさまざまな種類があり、正確な価値算定が難しかったり、遺産分割協議の段階で社会通念や感情に基づいて割合を決定することがあるためです。しかし、遺産分割協議が合意できないケースが多いことも事実です。法定相続分通りにいかないからこそ、遺産を遺す方が遺言書で誰に何をどの程度遺すのかを決めておくなど、対策を行う事が有効です。
当事務所では、遺言書作成や相続手続きに関するご相談を承っております。少しでも不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。(初回相談料は無料です)

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