こんにちは。今週は昨年より6日早い桜の開花発表がありましたね。来週には満開となるようです。お花見をお考えの方は早めに予定を立てた方が良いかもしれません。
さて、今日のタイトルは「遺言書を書いた方がいい人ってどんな人?」ですが、いきなり元も子もないことを言うと、遺言書はどんな方でも書いた方がいいです。ご本人やご家族にとって遺言書があって損することは無いからです。そして、なかでもより書いておいた方がいい人(書かないとまずい人)がいます。今日はその代表例をご紹介いたします
財産を残したい相手が決まっている
遺言書が無い場合、遺産は原則、法律で決められた相続人(法定相続人)に対し、法律で決められた割合(法定相続分)で相続されます。そのため、「法定相続人以外に財産を残したい」「法定相続分とは違う割合で財産を渡したい」という場合は遺言書を作成する必要があります。
例えばこんなケースです
- 妻に1/2以上相続させたい
- 家は長男に相続させたい
- 孫や息子の妻にも相続させたい
- 妹に相続させたい
- 内縁の妻や子に相続させたい
※ただし、個々の法定相続人の遺留分を侵害しないよう注意が必要です。
遺留分についてはこちらの記事をご覧ください。
子どもがいない場合
子どもがいない場合、わざわざ遺言書を書く必要は無いと思われるかたもいらっしゃるかと思いますが、これは大きな間違いです。法定相続人には、配偶者と子のほかに、親や兄弟姉妹(甥姪)も含まれます。つまり、かならずしも全ての遺産を配偶者が相続できるというわけではないのです。実際、亡くなった方の親や兄弟姉妹(甥姪)に遺産が渡ってしまい、配偶者が暮らしていた家を出なければいけなくなってしまったという事例もあります。子どもがいないからこそ、ご自身の遺産をどうしたいのか、はっきりと意思表示をしておく必要があるのです。
前の配偶者との間に子どもがいる
前の配偶者との間に子がいる場合、前の配偶者は法定相続人になりませんが、子は法定相続人になります。そして、遺言書が無い場合、前配偶者の子も含めて遺産分割協議をして遺産を分けなくてはいけません。関係性が複雑なため、協議が難航しトラブルに発展することもあります。それを避けるために有効なのが、現配偶者と子にだけ財産を残す旨の遺言書を作成しておく方法です。遺言書があれば、遺言書に従って相続が行われるため、前配偶者の子を関与させる必要はありません。もちろん、前配偶者の子にも遺留分が認められているため、相続を知った前配偶者の子から、遺留分を請求される可能性はありますが、遺留分だけを渡せばそれ以上は求められません。
個人事業を継承させたい
経営者である方が遺言書を残さず亡くなったした場合。当然、自社株式や事業用資産は法定分割を原則とした遺産分割協議の対象となります。協議の結果、後継者が必要な資産を承継できない可能性も十分に考えられます。後継者に株式や事業用資金などをトラブルなく取得してもらうためにも、遺言書で誰に相続させるのかを指定しておくことが有効です。
以上、遺言書を特に書いておいた方がいい代表例を4つご紹介しました。
ただし、冒頭にも書いた通り遺言書を書いて損をする人はいません。遺言書があるだけで、残されたご家族の相続手続きの負担は格段に軽減し、トラブルも防止できることはもちろんですが、故人の意思を尊重して遺産を受け継げること自体が、ご家族にとって掛け替えのない財産になると私は思います。ぜひ一度、遺言書作成について検討してみていただければと思います。
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